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「北欧インテリアデザイン」を徹底解説

以前の記事でご紹介した2022年人気のインテリアテイストの中で最も人気の高かった北欧インテリアデザインについて、その人気の理由や特徴、お部屋作りのポイントをさらに詳しく解説します。お部屋を北欧インテリアデザインに近づける具体的なおすすめ商品もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.なぜ北欧インテリアデザインは人気なのか?

北欧インテリアデザインとは、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの北欧4か国に由来するインテリアテイストです。これらの地域は冬の期間が長く日照時間が短いため、1年の大半を自宅で過ごすことになります。そのような環境下でいかに家を快適に過ごせる空間にするのか、その知恵から生まれたのが北欧のインテリアデザインです。このような背景を持つ北欧スタイルが日本のインテリアでも支持される理由は大きく3つあります。
①質素でシンプル

もともと質素な暮らしを好む北欧には、過度に主張しすぎない慎ましさや内なる美しさを大切にする文化があります。これは、日本の「わび・さび」と呼ばれる古き良き時代の価値観を大切にする文化と重なります。
②良い物を長く使い続けたい

「良い物を長く使い続けたい」という日本人らしい考え方も北欧と共通しています。産業革命の影響が少ない北欧では大量生産を良しとするのではなく、日常生活で必要な物も長く使い続けられる耐久性や飽きにくいデザイン性が好ましいとされています。職人の手作業による物作りに魅力を感じるのも同じ価値観だと言うことができます。
③木との相性の良さ

北欧には昔から自然素材を大切にした物作りの考え方が根づいており、現代の北欧インテリアデザインにも大きな影響を与えています。自然の素材感や温もりを大切にしている北欧テイストは木との相性が良く、同じように木材を多く使う日本の住宅や家具と親和性が高いため、日本人にも受け入れやすく好まれるテイストになりました。
このように、北欧と日本それぞれの文化的な背景や潜在的な価値観に共通点が多いことが、北欧インテリアデザインが日本でも人気の理由だと考えられます。
2.北欧インテリアデザインの特徴

北欧インテリアデザインでは温かみのある家具や内装材が好んで使われます。家の中にいても自然が感じられるように、木製の家具や植物などを配置しファブリックで優しさもプラスしています。室内での居心地の良さを追求しているので、リラックスした気分になりやすいのも北欧インテリアデザインの特徴です。
3.お部屋作りのポイント
北欧インテリアデザインのお部屋作りのポイントは4つで、「カラー」「素材」「家具のデザイン」「照明」です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
①カラー
ベースカラー(お部屋の70%を占めるメインとなるカラー)
北欧インテリアデザインのベースカラーには、ベーシックカラーやナチュラルカラーを選びます。
- ベーシックカラー:
ホワイトやベージュ、グレーなど - ナチュラルカラー:
ベーシックカラーにブラウンを加えたカラー
面積の大きな壁紙や床材のカラーとして取り入れましょう。
アソートカラー(お部屋の25%を占めるサブとなるカラー)
淡いブルーやピンクを取り入れましょう。上記のベースカラーとの相性が良く馴染ませやすいので、主張しすぎず空間の主役となってくれます。壁紙の1面だけにワンポイントとして取り入れたりするのがおすすめです。
アクセントカラー(お部屋の5%を占めるアクセントとなるカラー)
イエローやブルーなどの鮮やかなカラーや、空間を引き締めるブラックを用いると北欧らしく仕上がります。小物類で取り入れるのがオススメです。


②素材
温かみを感じさせる木製の家具やファブリック製のアイテムを配置すると温もりを感じることができ北欧らしく仕上がります。家具は脚付きの物を選ぶと良いでしょう、アームから脚までが木製で、座る部分がファブリック製のタイプだと北欧インテリアデザインのお部屋に馴染みやすいでしょう。木材としては、オーク、ブナ、ローズウッド、チークなどの木材が人気があります。

③家具のデザイン
木製の家具を選ぶ際には、丸みがあり、ゆったりとしたデザインの物を選びましょう。背もたれから肘までが曲線的なデザインの椅子など遊び心がある物を選ぶとオシャレ感が増します。ゆったりとした雰囲気に近づけるためには、テーブルやイスの脚が先細りになっているタイプもおすすめです。脚元がすっきりと見えて圧迫感がなく、理想の雰囲気に近づけることができます。また、北欧のデザイナーズ家具を配置してみるのも良いでしょう。

④照明
適度な照度が居心地の良さにつながるという考え方のある北欧インテリアデザインでは、光によって温かみを表現するのもポイントです。ひとつの照明で部屋全体を照らすのではなく、光が必要な場所にそれぞれ種類が異なる照明器具を配置し、光の明暗を出すと北欧らしくなります。間接照明を使って部屋の明るさを調節し、シーリングライトからペンダントライトに変えるなど、照明器具を工夫するだけでも北欧らしさがグッと高まります。間接照明としては、テーブルライトやスタンドライトを併用することもオススメです、ほのかな灯りでリラックス効果も期待できます。

4.おすすめの壁紙と床材
①壁紙
ベースカラー
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毎日過ごすリビングは白を基調とした壁紙を選ぶことで、明るく広い印象の空間に。ブルーのチェアやグレーのソファにモダンなアートを合わせて上品な空間にまとめています。
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アイボリーの優しいカラーが、お客さまや家族をやわらかく包み込み迎えてくれます。キズにも強いスーパー耐久性機能付きなので、家族共有スペースにも安心してお使いいただけます。
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北欧デザインのアクセントクロスを主役にした寝室。大胆なデザインですが、落ち着いたブルーとグレーのカラーで、空間を優しく包み込みます。周りの壁面も色味を合わせて、やわらかい雰囲気にまとめました。
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畳の色と合わせたグレイッシュカラーの壁紙をアクセントクロスに。温かみのある北欧デザインは和の空間にも調和します。調光ロールスクリーンで日差しをやわらかく取り入れて。
アソートカラー
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ライトブルーの格子柄が鮮やかな壁紙は、まるで方眼紙のようなデザイン。アクセントにはチョークで描ける黒板クロス、床材には明るくナチュラルな木目柄をコーディネートし、カジュアルな北欧インテリアを演出しました。
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軽やかな色合いのブルーの壁紙は広い面積に使っても暗くなり過ぎない人気商品です。北欧デザインのカラフルな壁紙とコーディネートして、遊び心溢れるプライベートルームが完成します。
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シンプルな空間にノルディックデザインの家具やオレンジカラーの小物を合わせて、北欧モダンにまとめました。グレーのアクセントクロスはどんなインテリアにも合わせやすく、小物次第でアレンジの幅が広がります。
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表情豊かな木目柄の壁紙にブルーのアクセントクロスを組み合わせた、北欧モダンな雰囲気の寝室です。小物にはネイビーカラーを取り入れてクールさを残しつつカジュアルな印象に。
②クッションフロア
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赤みを抑えたグレートーンのフローリングに、白い壁。アイコンとなるダイニングチェアと小物使いをポイントにしたシンプルシックな北欧スタイルです。
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高級感のあるウォールナット柄を北欧風に使用するには、全体的にすっきりとしたインテリアアイテムで揃えるのがポイント。ブラックのアイテムをアクセントに、フォルムにこだわった北欧家具と合わせて大人インテリアに。
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明るくカジュアルなパイン材の床に、はっきりとしたカラーの壁紙や、ゆったりとした幾何学柄の壁紙でアクセントをプラス。お子さまの情緒を育む楽しい子ども部屋に。
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壁紙はすっきりとクリーンな白。それを引き立てるシャープなグレーは格子編み風のほっこりとした雰囲気を持つクッションフロア。素材感を楽しむニュートラルカラーは木目とも相性良くまとまります。
③床タイル
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上品で穏やかな表情を持つホワイト系オークのフロアなら、北欧のようにダイニングにもアートやカラーを取り入れやすく、賑やかな食卓を演出します。
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カジュアルな雰囲気の集成材をリアルに再現したフロアタイルは、細かい木目柄により空間の広さを気にせず使用できます。人気のブルーグレーの壁紙に白い家具を合わせて爽やかなノルディックスタイルに仕上げています。
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おおらかな抑揚が印象的な木目柄の床材に、イエローの壁紙をアクセントに加えて、明るさとやわらかさを感じられるLDKに。カーテンやソファなどファブリックにソフトなグレーを取り入れ、カジュアル過ぎない落ち着いた空間に仕上げました。
5.まとめ
本記事の内容をまとめると、
- 日本で北欧インテリアデザインが人気な理由は、それぞれの文化背景や価値観に共通点が多いため。
- 北欧インテリアデザインとは、木の温かみと自然が感じられるデザインテイスト。
- 北欧インテリアデザインのお部屋作りのポイントは、「カラー」「素材」「家具」「照明」。
日本でも長年人気を集めている北欧スタイルは、日本人との相性が良く落ち着いてリラックスできるインテリアテイストです。お部屋作りの4つのポイントを押さえながら、まずは壁紙を貼り替えてみる、間接照明を取り入れてみるなど、少しずつお部屋の変化を楽しんでみましょう。