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下地について

下地の吸水性

下地の吸水性は、接着剤の塗布量、乾燥時間、接着効力に大きく影響します。また、これにより接着剤のオープンタイムや仕上げ材の施工方法も変わります。さらに、湿気、平滑性、強度といった下地の状態が、床材の施工条件や仕上がりに影響を与えます。特に、下地の湿気や吸水性は重要な要素であり、慎重に管理する必要があります。

①吸水性のある下地

エマルション形・ラテックス形・溶剤形等、液体の蒸発によって固化する接着剤と馴染みがよく乾燥しやすい。吸水性があるため、その下地の影響も受けやすい。例えばモルタルはその下のコンクリートの湿気を吸収し、床仕上げ材に影響を与えることがある。

②吸水性の少ない下地

接着剤に含まれる液体が蒸発し難いため、エマルション形・ラテックス形は適さない。乾燥固化が遅いため、接着不良の原因となりやすい。反応型接着剤を用いるか、接着剤の塗布量を少なくする必要がある。

③吸水性のない下地

仕上げ材を通してしか接着剤に含まれる液体の蒸発がなく、接着剤の乾燥が極めて遅い。通常、反応型接着剤を用い、塗布量を少なめにし、オープンタイムにも注意を要する。床材の変質、目地からの接着剤の滲み出しにも注意する必要がある。

下地の種類の注意点

①吸水性のある下地

接着剤とのなじみが良く、エマルション形・ラテックス形・溶剤形接着剤は特に乾燥固化しやすい。デッキプレート仕様の下地は、下地湿気に関係なく耐湿工法とする。

  • セルフレベリング床

    自己水平性(セルフレベリング)を持つが、配合によっては表面強度に劣る。粉ふきが多いので要注意。

  • 下地補修した下地

    モルタル・コンクリート下地の不陸やカケなどに対し、モルタル・コンクリート下地補修材などで補修した下地。

  • モルタル

    コンクリートの上にセメントモルタルを塗って金ゴテ仕上げをした床。吸水性が良く、床材施工に適している。

  • 土間コンクリート

    地面に接しているコンクリート床の総称。下地湿気が抜けにくい状況にある。防水シートなどによる下地水分の遮断は必須。

  • 軽量コンクリート

    砂利の代わりに軽量骨材を使用し、床スラブとして軽量化できる。軽量骨材が水分を含んでいるため下地の乾燥に長時間を要する。

  • 鉄板上のコンクリート

    鉄板(デッキプレート)に、コンクリートを打設して仕上げた床で懸架床に使用される。この組み合わせが最も問題をおこしやすい。鉄板下地と軽量コンクリートの組み合わせは通常の5倍の乾燥時間を要するので、耐湿工法が必要。

  • コンクリート埋込型床暖房

    コンクリートの下に敷設された、防水性のある断熱材によって下地湿気が抜けにくい。暖房時の加湿による問題が大きい。

    パネル型床暖房はパネルの種類により吸水性の少ない下地・吸水性のない下地に分類する。

  • シンダーコンクリート
    (防水層+押えコンクリート)

    主に屋上(ルーフバルコニー等)防水の押え及び紫外線からの保護用として、強度よりも軽さが必要な場合に使用するコンクリートの総称。防水層の上にコンクリートがあるという構造上、含有した水分が抜けにくい。

    常に多量の水分を含むおそれがあるため施工はおすすめできません。

②吸水性の少ない下地

接着剤のなじみが悪く、表面が緻密なため、接着剤の乾燥を遅らせる傾向にある。反応形接着剤を使用するか、塗布量を少なくし接着剤の乾燥を促進させる必要がある。待ち時間・残存ワックスにも要注意。サンダー等で表面を荒らし接着性を上げる事も対策の一つ。

  • 木質系下地(コンパネ等)

    段差、隙間、たわみによる目地部の膨れが生じやすい。木質系の場合、防腐剤、防蟻剤などにも注意が必要。

  • フリーアクセスフロア
    (木質系・軽量コンクリート)

    床下配線システム用。一般的には表面材となる床材のピールアップ性を求められる。

  • 人造石(テラゾー)

    ワックスが残っている場合には除去が必要。防水層がない場合の下地からの湿気上昇、段差、目地あき、ブロックの浮きに要注意。

  • モノリシック

    俗に「一発仕上げ」と呼ばれる。表面強度がある等の長所があるが、平滑性が欠けやすく、コテムラの発生などに注意を要する。

  • カラーコンクリート

    ワックスが残っている場合には除去が必要。防水層がない場合の下地からの湿気上昇に要注意。

③吸水性のない下地

接着剤の乾燥に時間を要する。床材の目地からの接着剤のにじみ出しの可能性がある。反応形接着剤を使用する。塗布量をやや少なめにして待ち時間にも要注意。

  • 金属系

    サビ止め塗料と接着剤のなじみが悪い場合があるので注意する。

  • 塗床

    さざ波仕上げで凹凸があったり、平滑性に欠ける場合は要注意。

  • 石材系(天然)

    ワックスが残っている場合には除去が必要。防水層がない場合の下地からの湿気上昇、段差、目地あき、ブロックの浮きに要注意。

  • フリーアクセスフロア(金属)

    床下配線システム用。一般的には表面材となる床材のピールアップ性を求められる。

  • 重ね貼り

    施工後に問題が発生しやすい。既設床材が緻密な材質の場合やワックスが塗布されている場合には特に要注意。

    軟質な床材上への硬質な床材の重ね貼りは不可。

下地が影響すること

1. 下地湿気

〈湿気による床材への影響〉

  • 床材が剥がれる。
  • タイルが突上がる。
  • 床材が縮む。
  • タイルの目地から汚れた水が出てきて、目地の周囲が汚れる。
  • 床材に膨れが出る。床材の下に水が溜まっている場合は、直径数センチの膨れになり、下地に結晶物が生成した場合には直径数ミリの膨れとなる。
  • カビまたは異臭が発生する。
  • 動荷重(キャスター走行)のかかる所が剥がれる(膨れる)。

〈湿気の上がりやすい下地と、その対策〉

下記の対策法をとった上で、さらに湿気による床材への影響を軽減するため、コンクリート・モルタルグレードⅡ a(水分指標8~10%)の場合は耐湿工法により施工する事をおすすめします。

注意

接着剤は、粘着成分を分散させる溶媒によって、溶剤形と水系に大別されます。水系接着剤を指定されている場合は、ゴム系ラテックス形・アクリル樹脂系エマルション形のいずれかの接着剤をご採用下さい。ただし、水系接着剤は、耐水性が乏しいので、湿気のある下地や水のかかるおそれのある場所では使用できません。

下地が土間床

最近の建物ではスラブ下に防水シートが使われ、地下水が上がってくる事は少ないが、防水シートが破れていたり、古い建物で防水シートが敷設されていない場合に、地下水が上がってくる事がある。

対策

  • 防水工事を確実にする。

コンクリート、モルタルが未乾燥

コンクリート打設後または、モルタル塗り後の期間が短いと余剰の湿気が出る。アルカリ性の強い湿気である事が特長。デッキプレート上のコンクリートの場合は、乾燥するまでの期間が長いので、特に注意が必要。

対策

  • 下地の養生期間を長くとる。

ピットの上のスラブ

床スラブの下に高温多湿の貯水層やピットがあると、スラブが結露する。この結露水をコンクリートが吸収し、スラブ表面まで達する。

対策

  • 水の供給側で防水処置をとる。

隣室で水が使われている

水を多量に使用している厨房が隣にあったり、スーパーマーケットのバックヤード、保冷庫周辺、野菜売場、あるいは外回りに植栽のある壁際は床が湿潤しやすいので要注意。

対策

  • 水の供給側で防水処置をとる。

窓、壁の部屋内結露

部屋内外の温度差が大きい時、窓ガラスや壁に結露した水が垂れ、床面に広がる。

対策

  • 換気を充分にする。
  • 壁に断熱材を入れる。
  • 除湿器を設置する。
  • 窓を二重サッシにする。

2. 平滑性

不陸によって、接着剤の塗布量が均一にならず、凹部に塗り溜まりができる。下地不陸が床材の表面に出て、ワックスの塗り溜まりができる。

  • 床材の目地や継ぎ目から接着剤がはみ出す事がある。
  • 溶剤による床材の軟化、膨れ、突上げなどが発生するおそれがある。

対策

  • 不陸は1mで2mm内に納める。
  • 局部的な凹凸はなくす。
  • 凸部を削り、凹部を下地補修材で埋めて、平滑にする。
  • 木質系下地では、エポキシ樹脂系の下地補修材を使用する。セメント系下地補修材は使用不可。
  • コンクリート系下地の場合、凸部は砥石などで削り取り、下地補修材で平滑にする。

3. 段差

段差が平滑性を阻害し、接着不良を招くおそれがある。木質系下地、フリーアクセスフロアやパネル型床暖房下地でしばしば発生する。

  • 施工後、重量物の往来などの荷重によって段差が床材表面に現れる。
  • プラスチック系床材に影響し、段差や亀裂を生じる。

対策

  • 段差を削り取る。
  • 木質系下地の場合は、東リNSシールまたはエポキシ樹脂系下地補修材を捨塗りして段差部分を埋める。
  • セメント系下地の場合は、クイックレベラー等のセメント下地系補修材を用いて段差部分を埋める。

4. 亀裂

下地に残った亀裂が平滑性を阻害し、接着不良を招く。

  • 施工後、下地の動き、歩行や荷重によって筋状の膨れ、へこみ、ひび割れ、目地ずれを招く。

対策

  • 亀裂にクラック注入剤(エポキシ樹脂系等)を注入する。(エポキシ樹脂には塩ビを汚染させるものがあるので注意)

5. 汚れ

ワックス、グリス、油類、塗料、防蟻剤、防腐剤、アスファルト系接着剤(黒糊)、油性マーカー、オイルステン、塩ビ配管用接着剤、朱墨、カラー釘等の汚染物質を含む汚れがプラスチック系床材に移行。既設床材を剥がした後の接着剤(特にアスファルト系接着剤(黒糊))が床材に移行し、裏面から汚染する。

  • 後日、床材表面に変色(着色)として現れる。

対策

  • サンダー掛けで汚れや残存接着材を100%削り取る。

6. 表面強度・レイタンス

下地の強度不足によって、後日、車輪の移動など負荷がかかった際に下地が破壊される。ザラメモルタルに多い現象。レイタンス(粉ふき等)によって、下地と下地補修材や接着剤がなじまず、表面強度が不足している場合がある。

  • プラスチック系床材の膨れや剥がれが発生。
  • 下地表面に接着剤が付着しないので糊入れができない。

対策

  • レイタンス(粉ふき)や脆弱な下地は、軽症であれば強度のある部分まで研磨する。プライマー等による補強はあまり望めない。
  • モルタル・コンクリート系下地では、軽症であればエポキシ樹脂系・ウレタン樹脂系の下地補強材等で補修。
  • セルフレベリング材には石膏系とセメント系がある。セメント系と比べて石膏系は表面が脆弱な場合が多く、注意が必要。
  • 極端な強度不足の場合は、研磨し、下地を造り直す。

7. たわみ

歩行や重量物の通過で下地がたわむ場合、床鳴りや亀裂の原因になる。

  • プラスチック系床材の膨れや剥がれが発生。

対策

  • 木質系下地でたわみがある場合、厚さ12㎜以上の合板を目地を違えて貼付けてたわみのない下地を造る。
  • 床材を仮敷きする時は、部屋の中央にかためない。

8. 接着性・接着面積

ALCパネルは多孔質で接着性が良くない。また、一部のフリーアクセスフロアで接着性の悪いものや開口率の高いものがあり、これらの下地では充分な接着強度が得られない。

  • ALCパネルは接着剤が下地に染込んで施工ができない。
  • ALCパネルは充分な接着強度が得られないため、床材の剥がれやずれを招く。

対策

  • ALCパネルは、合板を捨貼りするなど下地を造り直す。
  • フリーアクセスフロアは、その販売元に床仕上げ材の施工方法を確認する。
ALCパネル:パネル状に製造された高温高圧養生された軽量気泡コンクリート。主に外壁材として用いられ、一部床板としても使用される。
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